宇都宮市文化会館は、昭和55年の開館以来文化の殿堂として市内外から多くの皆様にご利用いただき、親しまれてまいりましたが、この度施設の老朽化などに対応するため、平成27年11月から17か月間にわたり大規模なリニューアル工事を行い、どなたにも優しくより安全に、より快適にご利用いただける施設として新たにスタートいたしました。
新たに生まれ変わった文化会館のリニューアルのポイントをご紹介いたします。
大小ホールのスピーカーの更新をはじめ、天井の形状や床の材質を変更したことにより、コンサート時においては、音楽鑑賞に相応しいクリアな音と音響を確保するなどプロのアーティストからも高い評価を受けるホール環境を創出しました。
【大ホール】
客席のカラーは気品や重厚感のあるクラシカルなコンセプトを継承するため「赤色」とし、イスは背もたれを体にフィットする形状にするとともに、座面に波型スプリングを入れるなど、長時間の着座でも疲れにくい形状のものとしました。
また、背もたれを薄くして足元空間にゆとりを持たせたことにより、通路通行時の譲り合いをよりスムーズにしました。
【小ホール】
客席のカラーは明るさや軽快感のある活動的なコンセプトとし、会館前の宇都宮市の市木である銀杏並木の新緑をイメージした「緑色」としました。イスは背角度、背もたれの形状を老若男女に最適な形状とし、座面はメッシュサスペンションを採用することにより耐圧をバランス良く分散させ、誰もが座りやすいものとしました。
大小ホールの男女トイレのすべてを洋式化(暖房付シャワートイレ)しました。また、洗面台を自動水栓・自動石鹸に更新するとともに、ベビーチェア、ベビーシートも設置しました。
さらに、大ホールは女性用トイレを、27基から34基に増設し、新たに化粧直しのためのパウダーコーナーの新設及び多目的トイレの増設を行いました。
大ホールに、体の不自由な方や高齢者の方などが2階席・3階席に、よりスムーズに移動できるよう、専用エレベーターを新設しました。
また、大小ホールの楽屋出入り口に自動ドアを新設したほか、車寄せとスロープを新設しました。
東日本大震災後、建築基準法の施行令が改正され、天井脱落への対策強化が規定されたことから、従来の「吊り天井」から、既存躯体と一体化した鉄骨に、直接、天井仕上げ材を取り付けた「直天井」への耐震化を行いました。
また、外壁タイルは1枚1枚安全性を確認し、タイルの落下防止工事を行いました。